せっくすが気持ち悪くてできない男の話

ノンセクシャルの成人男性が言いたいことをぶちまけるブログです。

三時間目も数学です。

前回の、ラブ◯イブ!!

nonseku.hatenablog.com

というわけでおまたせしました。(誰か待ってた?)
前回の続きです。

前回は身体的性別と性自認をモデル化する事を考えました。今回はもう一つの方、つまり、

性指向をモデル化することを考えます。
って書いたんですけどよく考えたら恋愛指向とは区別したほうが良いですね?
いわゆるロマンティックの部分とセクシャルの部分。
それでは始めていきましょう。

例によってこれらはどういう性質を持つものか?ということから考えていきましょう。

恋愛指向、性指向とは
・他者に対して自分が持つ感情である。
・人によって、相手によって大きさが変わる。
・常に同じでなく、変化する。
・他者に向いていないが、自分自身に存在する性的欲求もある。

こんなところでしょうか。

前回の性別モデルと違うところは、向く相手がある、ということです。自分の中でどうというだけでなく、対象によって数値が変化するようなモデルを作らなければなりません。

とりあえずパッと思いつく感じではこんな感じ?

恋愛指向(Love)をLov(相手)=強さ
性指向(Sexual Desire)をDes(相手)=強さ
と表す。

強さの部分は数値を入れることを考えましょう。
恋愛感情とか性欲に限界があるのか、というのがわからないのでとりあえずないことにして、最大値は\infty{}とします。
逆にアセクシャルノンセクシャルの場合は性嫌悪、というのがありますから、下限値は0より小さい場合がありますね。それならDes(相手)の方は最小値も-\infty{}で良いでしょう。
恋愛感情はマイナスに・・・なりうる?嫌いとか憎いとかなら一応あり得るかもしれませんが、かのマザー・テレサ「愛の反対は無関心である」と仰ってましたし、こっちの最小値は0でいいでしょうか。

問題は相手に当たる部分。
例えば異性愛者なら「男」「女」が入るでしょうか?それなら前回使ったSex(t)、つまりその時点での相手の身体的性別が使えそうな気もします。

しかしここで一つ問題が。
Sex(t)はあくまで身体的な性別の状況のみを示しています。そこに年齢が入りません。
例えばSex(t)=-1(身体的性別が完全に男性)の人が性的対象です!となると、生まれたばかりの男の子から余命幾ばくのおじいちゃんまで対象になってしまいます。
これはさすがに現実と乖離しすぎでしょうか。

ではそもそもなんですけど、

我々は誰に対して恋愛指向、性指向をもつでしょうか?

異性愛者って異性全体が対象になるでしょうか?
そんな事はありません。むしろ逆です。
異性愛者はたまたま好きになった人が全員異性だっただけの話です。
あくまでその時点までの恋愛指向や性指向が向く先の人がたまたま異性だっただけです。

つまり異性愛者とか、同性愛者とかそういった言葉は、異性全体や同性全体を指しているのではありません。
それぞれの相手が所属する集合が「異性」「同性」と呼ばれるものだった、というだけの話です。

ではここで一つ、ものすごくでかい集合を導入しましょう。

全世界の人類全体の集合をUとする。

このUにはあなた含め人類が全員入っています。
その一つ一つの要素、つまり人々をa_ {i}\in{U}の添字で表しましょう。
添字iは今生きている人だけを考えればざっと1~70億くらいになりますがそれだと死者に対する感情を表せません。
ここまで生きてきた人類をもれなく全て入れてしまうのが一番適切そうですが、まあ、大きさ自体はその時の議論に困らない程度に十分大きければ問題ないのであまり言及しないでおきましょう。

さてこれでおおよその準備が整いました。

試しに田中くん(男)が佐藤さん(女)を恋愛的に好き、そして性的に魅力を感じている、という状態を考えます。
恋愛的には数値とすると50くらい、性的には数値とすると40くらいの魅力を感じています。
佐藤さんには何らかの番号を割り振らないといけないので、ここでは佐藤さん=a_ {1}としましょう。
田中くんの持つ恋愛指向、性指向の関数は次のようになります。

Lov(a_ {1})=50
Des(a_ {1})=40

もし、田中くんが佐藤さん以外に好きな人がいなければ、a_ {1}\in{「女性」}であるために田中くんは異性愛者ということになります。

ですが例えば田中くんにもうひとり、鈴木くん(男)=a_ {2}という好きな人がいたとすると、

Lov(a_ {2})=50
Des(a_ {2})=40

こうなります。
これなんでしょうか?

田中くんはバイセクシャルorパンセクシャルでかつポリアモリー(複数恋愛)性愛者である、ということを表しています。

このようにLov(a_ {i})Des(a_ {i})の数値とa_ {i}がどの集合に属するか?を考えることで恋愛指向と性指向を表すことができます。

例をいくつか挙げましょう。

自分は男性、異性愛者で性的欲求もある
女性(female)全体の集合をFとします。
あるa_ {i}\in{F}が存在して
Lov(a_ {i})>0
Des(a_ {i})>0

恋愛感情も性的欲求もないアセクシャル(ただし嫌悪はない)
任意のa_ {i}\in{U}について
Lov(a_ {i})=0
Des(a_ {i})=0

自分は男性、異性愛者だが性嫌悪強めのノンセク(私)
あるa_ {i}\in{F}が存在して
Lov(a_ {i})>0
任意のa_ {i}\in{U}について
Des(a_ {i})<0

こんな感じ。

しかしここでまた一つ問題が!

いわゆる「性欲が人に向いていない」が表現できません!

性欲がないわけではない。
自慰だってする。
でも誰かとしたいわけではない。
さて、どうしよう?

今更新しい関数を導入するのも癪ですから、ここはもう今あるもので済ませましょう。
a_ {i}\in{U}は全ての人類という集合から取ってきた要素ですから、当然人類である自分自身も含まれています。
つまりa_ {i}(i=1,2,3・・・,n)のうちのどれかが自分であるわけです。これを特別にa_ {S}としてしまいましょう。(添字自体は何でもいいんですけどとりあえずSelfのSを使いました)

自分自身に恋愛感情・・・まあなくはないかもしれませんけど私は今まで見たことがないのでここでは性的欲求の部分だけで使用します。
Des(a_ {S})=?
これを自分自身で持っている性欲(他者には向いていない)としてしまいましょう。

以上で全て解決です。

ただし、人の気持ちというのは変化しますから、ここでも時間tを導入して時間によって変化する関数にしなければなりません。
つまり実際は2変数関数となり、
Lov(a_ {i},t)
Des(a_ {i},t)
となります。

では恋愛指向と性指向をまとめましょう。

人類全体の集合をUとする。
そのうちの一人ひとりについてa_ {i}\in{U}という記号を当てる。
ただし自分自身は特別にa_ {S}と表す。

時点tにおけるa_ {i}に対しての
恋愛感情をLov(a_ {i},t)
性的欲求をDes(a_ {i},t)
と表し、その大きさと符号によって状態を表す。
Lov(a_ {S},t)は定義せず、
Des(a_ {S},t)は他者に向かない自身の性的欲求を示す。
ただし
0\leq{}Lov<\infty{}
-\infty{} < {}Des<\infty{}
である。

さて、長々と喋ってきたことでようやく決着が付きました。
つまるところ人のセクシャリティ
身体的性別: Sex(t)=A(t)
性自認Gen(t)=B(t)+C(t)i
恋愛感情:Lov(a_ {i},t)
性的欲求:Des(a_ {i},t)
この4つの関数で表すことができます。

・・・で?
なんの役に立つのそれ?

最近世界最大の素数を発見した数学者は記者に「それはなんの役に立つのでしょうか?」と聞かれたとき、半笑いで「大学の宣伝」と答えたそうですが、まあそんなもんです。
これ自体が役に立つことは多分ありません。

でも楽しいやん?

例えば!

上の関数はt微分可能でしょうか?
これはつまりセクシャリティの変化は緩やかか?ということを示しています。(1個だけ複素関数が入ってるのでめっちゃややこしくなりますけど・・・)

微分可能でなければ連続でしょうか?
これはつまりセクシャリティの変化は突然に起こりうるか?ということを示しています。

いわゆる恋愛脳のLovは一般的な数値の何倍程度に当たるでしょうか?

そもそも神経の働きやホルモンの量を関数の値に対応付けることができるでしょうか?
それができれば自分はどの程度MtFなのか?性嫌悪はあの人より強いのか?ということを数値で表せるかもしれません。

数理恋愛学とでも呼べるでしょうか。
夢が広がりますねー。

ま、でもつまるところ一番大きな意義は結局「私が楽しい!」なんですけどね!!

楽しい!✌('ω'✌ )三✌('ω')✌三( ✌'ω')✌

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