せっくすが気持ち悪くてできない男の話

ノンセクシャルの成人男性が言いたいことをぶちまけるブログです。

「人間は生物学上種の保存をしなければならず、LGBTはそれに背く」という意見が間違っていることをきちんと説明する。

皆様こんばんは。

 

本日2021/5/20、自民党内で「LGBTなど性的少数者に対する理解増進に向けた法案」の審査が行われ、法案に反対する意見が多数を占めた、とのことでした。

 

news.yahoo.co.jp

 

具体的には法案の目的として

性的指向および性自認を理由とする差別は許されない」

 というものがありましたが、出席した議員から

「法を盾に裁判が乱発する」

「道徳的にLGBTは認められない」

「人間は生物学上、種の保存をしなければならず、LGBTはそれに背くもの」

との発言が出たとのことです。

現状これらを理由に性的指向および性自認を理由とする差別は許されてもしょうがない」という状態が国レベルで放置される方向に進んでいるわけです。

 

こちらについてはちょっとイライラしすぎてTwitterにバチクソ暴言を吐いたりしていました。ここに書くのはさすがにどうかと思うので書かないよ!!!

実際私のTwitterタイムラインなどを見ると概ね似たような意見が多かったです。つまりみーんなめちゃくちゃ怒ってました。

 

が、

 

ひたすら暴言ばかり吐いてると

自民党が「なんか気持ち悪いからだめ」を言い換えてるのとあまり変わらないじゃん」

「どっちも結局気持ちの問題じゃん」

「お互い不毛だな」

で終わってしまいます。(というような意見をTwitterで見かけました)

 

まあ、それはそう

 

と思いました。ので、

 

この問題についてあまり関心がない人、または自民党側の意見に賛成な人に向けて、どこが問題点なのか、私が思っていることを感情論なしできちんと説明しようと思います。

 

 

実はこの前に法案の内容についても議論はあるようですが今回はそこにはつっこまないようにします。もっと知りたい人は以下の記事をごらんください。

mainichi.jp

 

というわけで今回は出席議員の発言が間違っている、というところにフォーカスして説明しましょう。

では順番に見ていきましょう。

・「法を盾に裁判が乱発する」

はい。

どこが問題ですか?

まずこの意見が正しいかどうかは実際に法案が成立しないとわかりません。法案が成立することで裁判件数が有意に増加するかは不明です。

では、仮に乱発したとしましょう。

なにか問題があるでしょうか。

弁護士や裁判所の負担が増えるからでしょうか。法務を職務とする人々に法務の仕事が増えることが問題とおっしゃっているのでしょうか。

私は裁判が乱発することが問題だとは思いません。そもそも立法を行うか検討するにあたって「裁判が乱発するから駄目」というのは反対意見になっていないのではないでしょうか。

他に「裁判が乱発する」ことのデメリットがわかりませんでした。何か他にあればコメントしてください。

 

・「道徳的にLGBTは認められない」

「道徳的に考えると」→「LGBTは認められない」

という主張です。

まず道徳とは

人々が、善悪をわきまえて正しい行為をなすために、守り従わねばならない規範の総体。外面的・物理的強制を伴う法律と異なり、自発的に正しい行為へと促す内面的原理として働く。

という意味だそうです。

おそらくですが道徳的に認められないというのはつまり善悪をわきまえてない行為、悪の行為だという意味だと思います。

ですがLGBTは悪ではありません。故に道徳的に認められないという主張は誤りです。

LGBTが悪でない」ことはまず「LGBTがなにかしら悪になる理由が一つも見当たらない」ので自明として扱います。ここに反論がある人はコメントしてください。

 

・「人間は生物学上、種の保存をしなければならず、LGBTはそれに背くもの」

「人間は生物学上、種の保存をしなければならない」→「LGBTはそれに背く」→「故に法案は認められない」

という主張です。

まず前半「人間は生物学上、種の保存をしなければならない」ここから間違っています。

生物学は生命現象を解き明かすという学問であり、種の保存を目的としている学問ではありません。生物学上種の保存をしなければならないという主張は意味不明です。

おそらくですが「生物学上」というよりは「生物は種の保存をしなければならないから」ということを言いたかったのだと思いますが、これも間違いです。

「生物は種の保存をしなければならない」=「生物の目的は種の存続である」という主張がよく見られますがこの主張には特に根拠がありません。

そもそも生まれた瞬間から「種の存続」を目標として生きている人は少ないと思います。他の動物でも植物でも「種の存続」を目標として生きていることはないと思います。生殖行為について快楽を得られるシステムになっていて、結果としてそれが種の存続につながっているということはあるかもしれませんが、「種の存続」自体を目標として生きていることを示す具体的な実験や証拠は(私の知る限りですが)一切ありません。

もちろん人の中には一部いるとは思います。しかしそれを絶対的に正しいこととして他者に強要するのはおかしいです。

もう少し小さく解釈して「日本は少子高齢化社会なのでこれ以上子供が減るような政策は認められない」から反対だと主張しているかもしれませんが、これも論理がおかしいです。

仮にこの法案が通らず「性的指向および性自認を理由とする差別は許される」状態を国が容認したとしても、そこから人口が増えるロジックがありません。

LGBTに働きかけて人口を増やすためには、LGBTの人の中で本来であれば子供を望まない人に無理やり子供を作らせる法案を作って始めてロジックが成り立ちます。具体的に言うと同性愛者を無理やり妊娠させるとかですかね。

しかしそれは基本的人権に反するのが明確です。もし仮にこの法案を通さないのは今後そういった法案をつくるためだ、というならそれも立法府の行いとして正しくないです。

以上よりどう解釈してもこれは正当な反対理由になりません。

そして後半「LGBTは種の保存に背く」も間違いです。

まずLGBTの中にも子供がいたり、里親制度を使って子供を育てている人もいます。その人々は少なくとも人類という種を後世に残すことをしています。故にLGBTが種の保存に背いているという意見は明確に間違っています。

 

以上、「なんか気持ち悪いから駄目」に対する根拠を持った反論です。

 

LGBTに限らずセクシャルマイノリティの人々は差別含め本当にいろいろなところで困りごとがあります。それを現在国は放置しており、あまつさえそれを是正する法案すら明確な理由なく廃案にしようとしています。これは残酷で最低な行いであり、今すぐにでも是正されるべき問題だと私は考えます。

 

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