「好き」ってなに!
皆様こんばんは。
先日、ふと思いました。
このブログ、ノンセクブログを謳ってるのにあれやってない。そう、
「好き」ってなんだろう?
っていうやつ。
せっかくなのでこの辺でやっときましょう。
まず以前にお話しましたとおり、私は一回アセクシャルを挟んでからのノンセクシャルでございます。つまり私の人生は「恋愛感情全くわからん」からの「あーこれかー!」という過程を辿っております。
なので私の中でなんとなくこういうのだろうっていうのはあるんですけど、とりあえずアセクシャルだった頃の話をしてから、私の中の結論を申し上げましょう。
さて、アセクシャルだった頃、つまり全く「好きな人」というものがいなかった頃は結構真剣に「恋愛感情とはなんぞ?」という疑問を考えていました。
考えるにあたって色んなアプローチがありましたが、とりあえず順番に説明します。
①恋愛系のコンテンツを貪りまくる
ドラマ、小説、アニメ、映画、演劇・・・古今東西色んな恋愛物がありますが特に私が好きだったのは漫画。恋愛を主なテーマに扱ったものも数多くありましたがそうでなくても大抵の漫画には恋愛が絡んでますね。何種類か少女漫画も読みました。
で、見ていくとですね、
これが、突然なんですよ。
もう本当に突然主人公とかヒロインが「これが・・・恋!」ってなってるんですよ。
意味わかんない。
いやまあ経緯とか、きっかけとかそういうのは多少なりとも描写されてるんですよ?
でもですね?お前さっきまでそいつに散々振り回されてたしなんなら「あいつまじで嫌い!」みたいな感じやったやん。なのにその「これが・・・恋!」に至るまでに何があったんだよっていうね。もう恋愛分からない勢としては超展開でした。なにがどうしてそうなるんだよと。
一応参考文献を上げときますと(布教)
とか
とか
とか
この辺。
あ、誤解を生むとよくないので説明しときますと、私これらの本が楽しめなかったわけではないんですよ。ただ、この人達の言う「好き」っていうのが一つもわからなかったんですよね。
言うなれば火星探索記みたいな。
なるほど火星ってこんなのかー、よくわかんねえしたぶん私は一生火星に行くことないけどーみたいな感覚です。
ただともかく共通項を引っ張り出してきて、「恋愛」とはこのような状態を指す、というのはなんとなーくわかりました。
・その人のことを考えると胸がドキドキして
・いつもその人のことを考えてしまって
・その人が他の人と仲良くしてたらもやもやして
・とにかく一緒にいたい
・・・ないわー
ぜんぜんないわー!
別にドキドキもしないしそんな四六時中他人のこと考えないし誰が誰と仲良くしようがそいつの勝手だし一人結構好きだわー
という気持ちでした。
②わからなければ人に聞けばよい。
ということで恋人持ちから片思いしたことあるくらいの人までもう片っ端から「好きって何?」って聞いて回りました。
ところがですね、これが結構人によってバラバラで面白かったんですよね。
・その人と一緒にいたいと思ったら派
言葉通り「一緒にいたい」と思ったら。
これは感覚としてはわかりやすいのですが友達との差異がいまいちつかないのでは?と思いました。私は男女問わず遊びに行きたいなーと思ったら遊びに行こうぜ!って言うのですけどそれを全部恋愛感情と呼ぶのはちょっと違う気はする。ていうかそれにしたら私好きな人2,30人できるけど。
あるいはそこに恒久性があるかどうかなのだろうか。「ずっと」一緒にいたい的な。でも「好きで付き合ってるけど結婚する気はない」って人もいるしなぁ。
・付き合いたいと思ったら派
結局「付き合いたいか否か」ではないか。
なるほどこれなら友達と恋愛の境界もできる。でもそもそも「付き合いたい人がいない」ので「付き合いたい」って何?ってなる私。「付き合いたい人」ってつまり「好きな人」だから・・・無限ループ?
・性欲だよ性欲。派
突き詰めれば「ヤリたい」ってことなんだよ。
身も蓋もないけど一理あるのかも知れない。好きな人=触れたい触れられたい人=セックスしたい人ということだろうか。特に女性は「好きでもない人と◯◯したくない」って言うし逆に言えば「好きな人なら◯◯したい」ってことかもしれない。
(今ならノンセクシャルが反例にできるのですがその頃はそういうもんかなーと思ってました)
・なんだろうね派
ほんと、なんなんだろうね。
なんだろうねじゃねえよ・・・。
だって君好きな人いるって言ってたじゃん。何を根拠にその人を「好きな人」と呼んでるの・・・。なんで定義がないのに確信を持って「好き」って言えるの・・・。
例えるなら
「4は偶数です」←「偶数とは?」←「偶数とは2で割り切れる整数です」っていうのを
「4は偶数です」←「偶数とは?」←「なんでしょうね?」みたいな話ですよ。もうね、意味わかんない。
意味わかんないんですけど、なんとこういう人結構いたんですよね。
最終的にはなんか結論出た人でも「好きって何?」って聞くと最初はすごく悩んでたりしました。
つまりですね、大半の人は「好き」と言いながら「好き」が何かよくわかってないんですよね。
誠の恋をするものは、みな一目で恋をする。
シェイクスピア(William Shakespeare, 1564-1616)
なるほどー。じゃあしょうがないなー。
ここまで調べて、聞いて回って、私は思いました。
「じゃあ私には一生ないんだろうな」
だって理屈じゃないんでしょ?ある日突然降ってきたり落ちたりするものでみんなはそれを「恋愛」と呼んでるんでしょ?
でも私には今まで降っても来なかったし落ちもしなかったから。今まで20うん年生きてきてなかったものがこれから起こるとも思えないし。
まあ別に恋愛しなくても死なないので、いいかなーと思ってのほほんと暮らしておりました。
と、いうときに突然「落ちました」。
その時はなるほど昔の人はすごいなぁと思いました。「落ちる」って表現がほんとにピッタリでした。
その瞬間は私「かぐや様は告らせたい」の44話(五巻)を一人家で寝そべりながら読んでただけなんですよ。
その中にかぐや様が浴衣着てらっしゃるシーンがあって、ふと「あの子が浴衣着たら綺麗だろうな~」と思ったんですね。
と、同時に「付き合いたいなー」って思いました。
もうビックリしたって私が一番ビックリしました。だって22年間「ないだろうなー」と思ってたものが突然「はい」って渡されたわけですから。
「ああ、みんながよくわからないって言ってたやつ、これか~!」って思いました。確かに「よくわからない」ってことがよくわかる。
それでも散々考えてきたものが目の前に現れたので改めて自分の感情を分析してみました。以下が私の脳内で行われた会議@布団の上
私「「付き合いたいと思ったら派」が一番しっくりくるっぽい」
私「でも付き合って何がしたいの?セックスしたいわけじゃないんでしょ?」
私「たぶんだけど彼氏枠に入りたいんじゃないだろうか。友達枠は大勢入るけど彼氏枠は一人しか入らないから、その子の一人しか入らない枠に自分が入りたいっていう」
私「じゃあその子が他の男と二人で楽しくしてたら嫌な気持ちになるの?」
(想像しました)
私「あんまりしないわ」
私「???」
私「でも彼氏できましたって言われたらちょっと嫌かもしれない」
(想像しました)
私「あ、ちょっと嫌だわ」
私「ちょっと・・・」
私「ちょっとです。言われても普通に心の底からおめでとう!って言うと思う」
私「まあ、もともとの性格的に執着は薄いかもしれない」
私「二人でどっか行きたいとかそういう感情は?」
私「あるけど好きな人固有ではない。この人は多分二人で喋ったら一番面白いなって人は別に好きな人でなくても結構いる」
こんな感じ。まとめると「一歩踏み込んだ関係になりたい」っていうのが一番それっぽいでしょうか。友達は気軽に作れるけど恋人は人数制約があって、簡単にはなれない。で、自分がその人の恋人枠に入りたいとか入れると嬉しいとかそういう気持ち。
さて・・・たぶんここまで長々と読んでくださったアセクシャルの皆さんはたぶんこう思ってるんじゃないでしょうか。
ふ~ん
よくわかんねえけど。
私もたぶん2,3年前、アセクシャルの頃にこの記事読んでたら同じこと思ってたと思います。そもそも説明しようとしてる本人がよくわかってないですしね。
でも「好きがわからない」で悩んでるアセクシャルの方たくさんいらっしゃると思います。なぜなら世の中全体の風潮として「愛は素晴らしい」「愛する人を見つけることが人生のすべてだ」というのが声高に叫ばれているから。
でも、知らねーよって感じですよね。
そもそも好きな人が現れるかどうかって縁が全てだと思うんですよね。ある人にはたまたまあって、ない人にはたまたまなかったってだけです。
なのに好きな人がいないっていうと「えーなんでー!?」とか「もっと行動しなよ!」とか「理想が高いんじゃない?」って悪意なく言う人が腐るほどいらっしゃる。
なんでかなんてこっちが聞きたいし、行動して見つかるかどうかも縁の話ですし、理想下げてまで手に入れる必要があるものか?って思います。就職先探してるわけじゃないんだから。
だから、よくわかんねえのままで全く問題ないと思います。興味があるなら調べたり考えたりすればいいけど(私はこういうの考えるのまあまあ楽しい)、ないならないでほっとけばいいと思うのです。だって誰にも迷惑かけてないし。
文章が長々となってしまいました。
とりあえず参考文献であげた漫画、試し読みあるんで一度読んでみてください・・・。
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