初めから「こう」だったわけじゃない ~後編~
皆様こんばんは。
前回の続きですね。
前回はアセクシャル期で「どうやら自分は女性に触れられるのも苦手なようだ」と自覚を持ったところでした。
しかしこれは流石にやばいなと思った私。そこからしばらくは人に触れられるの慣れようと思ってスキンシップの多い人も極力避けないように、なんてこともしてみました。
でも無理。だって気持ち悪いもん。
みんなが持ってる「好きな人」もいねえし皆の好きな「スキンシップ」も苦手だしもう意味わかんねえな・・・と思いながら暮らしていたそんなある日のことでした。
Twitterにとある漫画が流れてきました。
ノンセクシャルという概念に出会って考えた、感じたことを、ぼちぼちと...
— ののじ (@khd1736) 2017年3月6日
#どうやらわたしはノンセクシャル pic.twitter.com/lbYU4eL7gu
ものすごく驚きました。
これ、私やん・・・
実際は当時アセクシャルで男性の私と、ノンセクシャルで女性の方なので厳密には全く一緒ではないのですが、自分と同じようなことで悩んでいる人がこの世にいる!ということにとてつもない安心感を覚えたことをよく覚えています。ちなみにこれが大学4年生の終わり間近くらい。
ですのでアセクシャル期とは言ってますが明確に「私アセクシャルかも!」と思ったのは4年弱たった頃です。それまでは名前もない何かで違和感に苛まされ続けてたわけですね。
こういう人が他にもいる、ということを知って初めて他の人にも「私アセクシャルかもしれない」という話ができるようになりました。と言ってもわざわざする話でもないと思っているので限られた人にしか話してませんが・・・。
③ノンセクシャル期
さてさて今まで好きな人もおらず、大学からは他人に対する性欲もなくなった中でやっとアセクシャルという言葉に出会い、なんとなーく暮らしていました。相変わらず「好きな子」も「やりたい子」もいないまま、まあ特に困ることもないかーと思いながら日々を過ごしていたある日のことです。
突然、私に「好きな子」ができました。
その子とはそれまでもまあまあ仲良くしてたのですが、他の子と同様別に「恋愛感情」を抱くことは全くなく、とても気の合う友人だなくらいの関係でした。
が、もうほんとに突然「あ、付き合いたいわ」と思ったのです。その瞬間は家で一人、漫画読んでただけなので、その子の何かに惚れた!とかそういうことではないのですが、なんかもう突然降ってきたとしか言いようがない何かが、私の中のスイッチをカチッと入れました。
と、同時に「みんなが言ってたのこれかぁ~」と妙に納得したのを覚えています。
やれ世間では「恋愛は理屈じゃない」だの「恋は落ちるもの」だのわけわからんことがたくさん言われてて正直意味わからへん!と思ってたのですが、たしかにこれは言うとおり。
それがなんと社会人一年目、22歳のとき。えっらく遅い「初恋」です。ほんと人生何があるかわからない。
以前にも書いたとおり私は現在まで彼女はいないので、つまりこの初恋は実らなかったわけですが、それでも自分が人間を好きになることがある、というのは大きな発見でした。その子を好きになって以降はまたスイッチが入ることなく、今に至りますがとりあえず「ノンセクシャルかな」というところに落ち着いています。
自分史としては、こんな感じです。
これはセクシャルマイノリティのほぼ全員に言えることだと思っているのですが、最初から「私はレズビアン!」とか「私はトランスジェンダー!」とか「私はノンセクシャル!」とか、そんな自覚を持つ人ってまずいないと思います。それぞれがまず「私何か人と違うな・・・」と思い、「もしかしてこれじゃないかな・・・」と思って自分のセクシャリティを意識していくわけです。
ただ、本当に必要なのは知識だと思います。私はアセクシャル、ノンセクシャルという言葉に出会うまでに随分と時間がかかり、それまでに色んなことを考えたり悩んだりしました。
「安心できる」ためには自分のセクシャリティを表す言葉があり、そこに属している自分以外の人が一定数いる、ということをきちんと知っておくことが必要です。
そういう意味で私ができるのはブログを書いてネットの海に放り投げとくくらいのことしかないです。が、
もっともっと偉い人が例えば学校で性の多様性を教育するとか、セクシャルマイノリティの支援団体が増えるとか、そういうふうに世の中が動いていくと良いなと思っています。
追記(2/14)
ののじ様に許可頂いた為、Twitterを貼り付けさせて頂きました。
ののじ様ありがとうございました。
ご質問は以下のTwitterにリプライくれると答えます。