「加害者」の方へ
皆さまこんばんは。
いつもちょっとふざけ気味ですけど、今日はちょっと真面目な話です。
今回は差別について。
普通の人にはどこか遠い世界の話ですが、セクシャルマイノリティの方々にはそれこそ常に隣にあるようなお話ですね。
私が解説するまでもなく、セクマイへの差別はこの世に溢れています。悪意のあるなしにかかわらず、傷ついたり嫌な思いをしている人が数多くいらっしゃいます。
と、ここでとりあえずこの記事を読んでほしいと思います。
全部読んで頂けると嬉しいのですけど、なげーよ!って声も聞こえてきそうなので私が要約しますと、
・Bさんはセクマイ(同性愛者・・・というかゲイ?)が気持ち悪いと思っている。
・そういう人がいるのは理解できるが心が追いついていない(本能的に気持ち悪いと思っている)
・現実にゲイの人に出会ったことがあり、そのときはごくごく普通の男性であることに驚いた(もっとオネエ系の容貌をしていると思っていた)。興味はあったが、失礼と思い、深くは聞かなかった。
・うっかり悪意なく言った言葉が炎上するのが怖い。だからといって関わらなければそれも差別になってしまう。
さて、当事者の方、非当事者の方。
どう思いましたか?
この記事、Twitterで記者の方が記事の紹介をツイートしているのですが、そこに当事者、非当事者の方からかなり多くのリプライが来ていました。
「LGBTは気持ち悪い」という人に会いました。「頭ではわかってる。心が追いつかない」「異性愛が当たり前と思っていたら突然罪人になった」「僕の方が社会的に葬られる」「ポリコレ棒が怖い」。非理解者もまたテンプレで見られがちですが「ただの差別主義者」なのでしょうか https://t.co/0u6JAFzGW7
— 原田朱美 (@haradaakm) 2018年4月5日
私も流し見したくらいですが、およそ半分の方が多かれ少なかれこの記事に「不快感」を示していました。
「差別だ」とか「理解しようとしろ」とか、まあ主に「Bさんが悪い」。ついでに「こんな記事をよく公開できたな」みたいな意見です。
私もこの記事をみて大変な憤りを感じました。
・・・とかいうことは全然なくて。
面白いなーこういう人もいるのかー。
と思いました。
大事なポイントは、このBさんはゲイの男性に出会ったときに、一つも失礼なことはしていないんですよ。
ゲイをカミングアウトされて、性的な部分に興味を持ったけれど、仕事中にそういうことを考えるのは失礼だとすら思った。
ついでに記事読むとわかるんですけどこのBさんは同性愛者の権利が認められていないことに問題意識も持っている。
ただ気持ち悪いとは思ってる。
それだけ。
私はBさんを差別主義者だとは思いません。
この人は少なくとも感情を表に出してセクマイに迷惑をかけていないからです。
むしろこの記事に「改心しろ!!」とリプライ送っている人たちのほうがよほど「怖い」と思います。その人たちのほうが差別主義者、つまり加害者になる可能性が高いと思うからです。
人の思想は自由。これは憲法で決められてる、とかではなくて、
だって誰にも迷惑かけてないじゃん。
ということだと思います。
「気持ち悪い」と思ってもいいけれど、それが言葉になって相手に伝わった瞬間初めて差別なのだと思います。
極端な話をすれば、セクマイが気持ち悪いと思っている人が100人集まって「セクシャルマイノリティなんて気持ち悪いにきまってる!」と叫んでいたとしてもそれは差別ではありません。それが防音室であれば。
セクシャルマイノリティを「気持ち悪い」と思っている人を「正しい考えに直してあげよう」と「教育」してあげるほうがよほど差別だと思います。
差別なのかどうか。
それは「思ってるだけ」なのか「実際に相手に迷惑をかけているのか」を、きちんと切り分けることだと私は思います。
記事の終わりは
どうすればいいのか、簡単にこたえは出ません。
と締めくくられます。
簡単じゃないでしょうか。
思っても言わなきゃ良いのです。
それはマジョリティもマイノリティも同じこと。マジョリティに「異性愛なんて気持ち悪い!」「よくセックスなんて気色悪い行為できるな!」と伝えるのは差別です。
どちらの方も、どうか加害者にならぬよう・・・。
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