アセクシャルオフ会レポ(にじいろ学校様)
皆さまこんばんは。
先日、にじいろ学校様のオフ会に参加させて頂きました。
#TRP2018 2日間本当にありがとうございました!!5日のアセクシャルオフ会ではなんと78名の方にご参加いただきました(´∀`●)!!6日のパレードでも多くの方にご参加いただき本当に嬉しかったです❣️!!これをきっかけに少しでも「恋愛をしない人もいる」ということが世間に認知されると嬉しいです😊 pic.twitter.com/b5u0Euk3Pb
— NPO法人にじいろ学校 (@niji_koou) 2018年5月7日
ので、今回はレポをお伝えしようと思います!
楽しいこと、面白いこと、興味深いこと、たくさんありました。
その一つでも伝わると嬉しいです。
個人情報保護法に基づき、この記事とその他のインターネット上の情報からでは個人を特定できないように書きますが、流石に現地にいた方でしたらある程度誰のことかわかってしまうことはあると思うので、勝手に書いてんじゃねえ!ってことがありましたら大変お手数ですがご一報ください。
①行くよ東京!
さて!5/5の朝!前日までカラオケ徹夜で「メルヘンデビュー!」
を全力で歌っていたせいで眠い上に喉死にそうになりながら、関西空港から飛行機に乗り込み!
朝早く東京についてしまったのでとりあえず上野に行き、ひとりブラタモリごっこ(散歩です)をしていたら楽しすぎてお昼ご飯を食べそこね!(お腹空いた!)
なんとか着きました!
代官山!
おしゃれ!
インスタばえ!
インスタやってません!
会場に入るとすでに半分くらいの方が到着されていました。そう、なんと40人近くの人がいるわけです。
この人達が全員アセクシャルなわけです!すげえ!
とりあえず名札とパンフと飲み物を頂き、誰か喋れそうな人いないかなーと思いながらキョロキョロ見渡してると、
・・・なんか名札に「ライフプランナー」って書いた人いる・・・。
「ライフプランナー」の意味がわからなすぎて面白そうだと思い、お話してみると今回にじいろ学校様の代表様にお呼ばれしたゲストの方だそう。
実は今回この方以外にもアセクシャル関連で活動されている方が何人かお話しに来てくださっていました。
ちなみにライフプランナーの方とは後でちゃんとお話したのでその話も書きますね。
そうこうしているうちにほぼ全員の参加者の方が到着されました。
78人。
78人です。
78人アセクシャルが集まりました。
すごくないですか?78人セクシャルマイノリティの中でさらにマイノリティとか言われてるアセクシャルが集まったんですよ!
なんかあれ、ゾンビ映画でウイルス感染が始まって10年後、人類の大半が滅びた中で一人サバイバルをしていたら突然人間の集落を見つけたみたいな。
「今までどこにいたんだ君たち!」って気持ちになりました。たぶん日本でこれだけのアセクシャルが一箇所に集まったのは初めてじゃないでしょうか。
そういうわけで始まりました、アセクシャルオフ会。いえーい。
にじいろ学校代表さんのゆるめの挨拶のあと、各人がそれぞれテーマの決められたテーブルのなかで興味のある場所につき、お話をしていきます。
喋るの疲れたらソファで休んでもOK!
私は今回4箇所のテーブルでお話させていただいたので、それぞれについて記事を書きたいと思います。
②ノンセクシャルテーブル
少ねえ。
ノンセクシャルとは、以前にも書きましたが恋愛はするけど性的なことは苦手or興味がないという人を言います。アセクシャルの人は恋愛もしません。
このとき集まったのは5~6人だった思います。いや、テーブル7つに別れてて80人弱いるんだから均等割したらそんないうほど少なくないし、そもそもノンセクシャルの人がみんなノンセクシャルテーブルに来てるわけではないんですけどね?
でももうちょっといると思ってた!
セクシャルマイノリティの中のマイノリティの中のマイノリティかよ!
でもですね、その中に、なんと!男性がいたのです!(正確に言うとFtMの方です)
私初めて男性のノンセクシャルの方にお会いできたのがすごく嬉しかったです。(ほんとは男性とか女性とか区別するのは良くないんですけどね・・・)
あ!いたー!みたいな。
思わず握手までしてもらいました。
ノンセクシャルの人はアセクシャルの人と悩んでることがちょっとだけ違います。アセクシャルの人は「恋愛感情はわからない」ということが悩みであったり不思議であったりするわけですが、ノンセクシャルの場合は「好きな人はいるけど」◯◯ができない、したくない、みたいなお話が多いです。
何個か聞いたお話を列挙しますね。
・お付き合いした経験はありますか?
テーブルの人はほぼ全員あり。でもやっぱりスキンシップが増えると厳しいということでした。
・どこまで許容できますか
ハグまではほぼ全員大丈夫。手つなぐのも厳しいという私のような人は珍しいかもしれません。キスあたりでだいたい意見が別れます。でもセックスできなくはないって人も。
・結婚願望はありますか
はっきり「ある!」という人は私以外はいませんでした。ただパートナー的な人がほしいという人はいました。
個人的には「逃げるは恥だが役に立つ」の契約結婚がすごい良さげだったのに最終的には恋もセックスもしてんじゃねえか!ってがっかりしたって話が面白かったです。
・困ることはありますか
お付き合いすると相手の人に体の関係を求められるのが…というのがやっぱり一番多いですね。
他には「彼氏いません」というと「そうなんだ!頑張って」って言われるけど別にそんな欲しいわけではないとか。
③ライフプランナーの方のテーブル
次に行ったのは冒頭でお話させて頂いたライフプランナーの方とお話できるテーブル。
ライフプランナーというのは人生全体の設計を一緒に考えましょうみたいな職業だそうです。ファイナンシャルプランナーはよく聞くと思いますが、あれは人生のお金の計画を立てましょう、そしてライフプランナーは人生の計画を立てましょうって感じです。
保険会社の方なので聞いた話をもとにこういう保険がありますって提案をしてくださるようなことを職業とされていらっしゃるそうですね。といってもその場でパンフレット渡されるとかそういうことは全くありませんでしたので、今回は営業で来てくださったわけではなさそうです。このオフ会で聞いた話からセクシャルマイノリティの需要に沿ったような商品が作れないか、会社で話し合うと仰っていました。
さて、ここで一番皆の共感を得た質問は
「女一人で生きていくことは可能ですか?」
でした。
アセクシャルの人は普通の人より結婚のハードルが高いです。
まず好きなひとができない。
彼氏ができても性的な関係は持てないか、持ちづらい。
もし結婚しなければ当然一人で生きていくことになりますから、こういった質問が出てくるのも当然です。日本では特に国の制度や社会の作り上「女性が一人で生きていく」という形がほとんど想定されていませんから。
ライフプランナーの方の答えとしては「できます」ということもなく「できません」ということもなく、「個人によります」ということでした。
じゃあ女性一人で生きていくにはどれくらいお金が必要か?
親の介護はあるか?
そもそも今仕事をしているか?
これらすべては個人ごとに違いますから、個人ごとのプランが必要です。ということらしいです。なるほど。
こういうお話のとき、必ずといっていいほど話題に上がるのは
「アセクシャル老人ホームが欲しい」
という意見です。
「孤独死は怖い。でも世間一般で言う結婚は多分難しい」
というわけで同じ考えを持った人たちで一緒に暮らしたいということですね。
簡単ではないし、私がパッと思いつくだけで問題点が5、6個見つかりますから、実現は難しいでしょう。でもいつかそういうの全部ふっとばしてそういう居場所ができるといいですね。
④アセクシャルに関する本を執筆されている方のお話
次に行ったのはアセクシャルに関する本を執筆されている方のテーブルです。
社会学的な視点からセクシャルマイノリティを研究されている方のお話を聞きに行きました。
学会では今はアセクシャルを研究されている方は非常に少ないそうです。LGBTなんかは増えてきたらしいので今後に期待ですね。
他には、学術的なアセクシャルの定義について。
学術的にはアセクシャルを定義する方法、その研究がやりたいことに依存して変わるらしいです。ただ、主な方法は2つあって、
「アセクシャルに関するサイトが使っている定義を使う」のと「アセクシャルと自認している人をアセクシャルとする」という方法があるそうです。
「アセクシャルと自認している人をアセクシャルとする」とすると条件がゆるいのでより多くの人がアセクシャルと認定されます。一方で「じゃあアセクシャルって何?」って言うとこの定義を使っても答えられません。だからアセクシャルを扱っている団体などが提示している定義を一緒に使う、という方法です。
今回出版する本の内容としてはアセクシャルの方にインタビューした内容をまとめたような、比較的読みやすい形での本になるそうです。ちなみに私も去年応募してskypeでインタビュー受けました。
この本は現在も執筆中でもうすぐ発売だそうです! 楽しみ!
⑤海外の話
最後は海外(アメリカ)のアセクシャルの方が来てくださっているテーブルに着きました。
アメリカ人の方ですが非常に日本語がお上手で・・・!すごい・・・!
アメリカではノンセクシャルという言葉は使わず、ノンセクシャルはロマンティックアセクシャルと呼ぶそうです。(日本でのアセクシャルはアロマンティックアセクシャル)
というかアメリカの文化ではそもそも好きな人だから→セックスする、って感じではなく、セックスして→相性が良ければ付き合う、という感じだそうで(アメリカでもこの辺の文化は地域によって差があるらしいですけど)そういうことなら好きだけどセックスはできないというノンセクシャルがあまり使われないのもわかる気がします。
あと一個びっくりしたのは海外のマッチングアプリ(婚活アプリみたいな?)には最近「自分はアセクシャルです」というのを登録することができるらしいです!
セクシャルマイノリティの理解度はやっぱり海外の方が一歩も二歩も進んでるなぁと感じました。
⑥ちょっとした事件
オフ会の途中ちょっと印象的なことがあったのでついでに書いときます。
ノンセクシャルテーブルで初めて男性のノンセクシャルに会って握手しました!と書きましたが、休憩時間のときになんと握手してくださった方に謝られたのです。
曰く、「触られるの気持ち悪いって知らなくて握手してしまってごめんなさい!」とのこと。
いや握手しても全然気持ち悪くないんだけどな・・・と思ったし全然大丈夫ですよ!ってお伝えもしたんですけど、なるほど確かにノンセクシャルテーブルで私「手つなぐのも無理です」って話しました。
これが非常に説明するのが難しいんですけど、こう、カップルが手をつなぐのは気持ち悪いんですけど普通に人と握手するのは全然平気なんですよね。言葉足らず・・・。
伝えるって難しいなって思いました。
以上が今回のオフ会でした。
このあと二次会に誘って頂いたので20人くらいで居酒屋に行き、色々お話させていただきました!そこで聞けたこともこれから個別に記事にしていきたい・・・。
す~ごい楽しかった!
にじいろ学校の皆様、ゲストの皆さま、私と話してくださった皆さま、ありがとうございました!
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