たまには、こっち側から
「ねえねえ、くみこは今彼女いるの?」
その言葉に私は一瞬固まる。大学生の新歓。20人近くの男女ががやがやと喋っているなかでお酒も入って1時間位。目の前の、今日あったばかりの同級生から発せられた、その質問自体はごくごく常識的なものだった。いつもならてきとうに「今はいないよー」なんて言ってごまかすところだ。実際それは嘘ではないから。
でも、もう私はそれをやめることにした。そう決めたのはこの大学に入ることが決まった時。理由は、もう面倒だったから。
「あー……実は私、男の人が好きな人で……」
「えー!!!」
目の前の女性から発せられた甲高い声の大きさは、周りの人達の注目を集めるのに十分だった。
「なにー?」「どうしたのー?」
すこし驚いたような顔をして聞いてきた人々に、彼女は親切にも私の代わりに説明をしてくれた。
「くみこ! ヘテロなんだって!!」
ヘテロ。私はその三文字があまり好きでなかった。何も悪いことをしたわけではないのに、この言葉によって私は「そっち側」に行けないことを思い知らされるからだ。
「えーまじで! 初めて見た!」
隣に座る男性が言う。確か、三年生。
たぶん誰もあなたに打ち明けなかっただけですよ? 心の中で言葉を返しながら私は曖昧に笑う。
「ね、ね、今って……彼氏はいるの?」
彼女はまた聞いてきた。なぜか「彼氏」の部分を強調される。
「今はいないよ」
「じゃあ前はいたんだ!!」
嬉しそうに彼女は言う。
「うん……まあ……」
「ね、男の人と付き合うってどんな感じ?」
「えー……いや、普通だよ……同性と付き合うのとそんな変わらないし……」
「でもやっぱヘテロだと偏見とかあるんだろうなー! 大変だろうなー! なんか言われたことある?」
今度は隣の男性から。
「……まあ」
「どんなの?」
せめてもの抵抗として少し不快そうな顔をしてみたのだがこの人には通じなかった。
「うーん……なんだか……変とか……」
「あーなるほどなー」
それは肯定? あなたもそう思うの?
「そういやなんかそんなんで炎上してた議員いたよなー」
「あーいたよね。なんだったっけ?」
「いや中身はよく知らねーけど」
そうですよね。あなた達には他人事ですものね。
「ねえ、ところでさ、これはちょっとあれなんだけど」
目の前の彼女が少し身を乗り出して手招きしてくる。それに従って、私は彼女に顔を近づけた。
「男とってさ、どうやってヤるの?」
女は下卑た笑みを浮かべながら、小さな声で聞いてきた。
意味を理解するまでに一瞬。
その後湧いてきたのは「信じられない」という怒りの感情だった。
しかし周りの男どもは「おまえやめろよー」なんて言いながら笑っている。その目は言葉と裏腹に好奇心がむき出しだった。
「いや……うーん」
どうしよう。
言いたくない。
けど、今雰囲気を壊すのも、後々のことを考えるとあんまりしたくない。
目の前の女はなおも私の答えを嬉々として待っている。
「えーっと……」
「ねえ中川さん」
不意に声が聞こえた。中川は私の名前。声は2つ向こうに座っている女性から。名前は何だったかな。
「トイレってどこにある?さっき行ってたよね」
「あ、それなら店を出て左に行ってから右……」
「あーごめん。私方向音痴だからついてきてくれない?」
「え……」
言うやいなや彼女は立ち上がり、私の手を掴んで引っ張った。そのまま店の外に連れ出される。
「どっちだっけ?」
「あ……左」
「オッケー」
そう言って彼女は歩き出した。慌てて私も後ろをついていく。
少しの間無言の時間が流れた。彼女はなおもスタスタと歩いていく。
「あの……」
「ん?」
声を掛けると彼女は振り向いた。きれいな長髪が一緒になびく。
「ありがとう」
「なにが?」
「私が嫌がってるから連れ出してくれたんでしょ?」
「あー……」
彼女は少し照れたようにしながら言った。
「余計じゃなかった?」
「ううん、嬉しかった」
「いやなんかあたしああ言う話あんま得意じゃなくて」
彼女は何かを隠すように少し早口で言う。
「ねえ、あの……間違ってたら失礼なんだけど…もしかしてあなたもヘテロ?」
「いや、私は普通にレズ」
「あ、そうなんだ……」
「お、あった」
気がつくとトイレにたどり着いていた。
「案内ありがとう!」
そう言って彼女はトイレに入った。私は手を振って見送り、入り口の壁にもたれかかって待つ。
少し期待した。ヘテロは人の17%だと聞いたことがある。今日は20人くらい集まっているからたぶん……3人くらいはヘテロがいるはずだ。
彼女がヘテロであれば……というよりあの場に同じヘテロがいれば少しは安心できたかもしれない。本当にいないのか、カミングアウトしてないだけなのかはわからないけれど。
ため息をつく。やっぱり言うの、やめとけばよかったかな。でも、また好きな人はとか、好きな同性のタイプはなんて聞かれて、ごまかすのもうんざりだった。
みんな私に興味がなければいいのにと思う。たまたま少ない方なだけで、まるで動物園のパンダみたいだ。
「……え?待っててくれたの」
ふいに声がした。左を見ると彼女がハンカチで手を拭きながらこちらをキョトンとした目で見ている。
「え、うん……」
「ありがとうー!優しいね」
「……帰り一人だと迷うんじゃないかと思って」
そう言って私は少し笑ってみせた。彼女もつられて笑ってくれた。
「戻ろ」
二人はまた並んで歩き出した。
「あのさ……」
彼女が言う。
「どうしたの?」
「さっきさ、あたしたぶん「普通にレズ」って言ったかなと思ってさ」
「……うん?」
言っただろうか。そんな気もするがあまりきちんと覚えていない。
「なんかトイレしながらさ、「普通」って良くなかったかなと思って……」
そう言って彼女はこちらを向き、手を合わせて「ごめんね」といった。
可愛らしい人だなと思った。私の恋愛対象にはきっとならないけど。
「そんなこと全然気にしてないよ」
私が言うと彼女の顔がぱっと明るくなった。
「よかったー。あ、ねえ、くみこさん同い年だよね? くみこって呼んでいい?」
「え……うん、いいよ」
「じゃあよろしくね!私も名前で呼んでいいから!」
「あー……」
私が言葉に詰まると彼女はニヤリと笑った。
「さては自己紹介のときちゃんと聞いてなかったなー? れいなだよ。吉川れいな」
「れいなね……よし、覚えた!」
私はれいなに親指を立てて見せる。それを見てまたれいなは笑う。
「あの、でも私、ヘテロだよ?」
「だから?」
だから?
「だから…あの…」
「私がくみこのこと好きになるって? 自意識過剰だなー」
「そういう意味じゃないけど!」
私がムキになって否定するとれいなは声を出して笑った。
「いいじゃん。女とか男とかじゃなくて人間でしょ?」
そう言って、れいなはたどり着いた店の入口を開ける。私達の新歓グループは奥の座敷だ。
「ごめんねーくみこ借りて……て……」
言いながらふすまを開けたれいなが、固まっている。
見るとついさっきまで私に根掘り葉掘り聞いていた人々はすでにみな同性同士で「イイ雰囲気」になっていた。
れいなは向こうからは見えないように「お手上げ」のポーズを取って見せた。私はそれを見て笑いながら言った。
「端っこのほうで、一緒に喋ろ」
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アセクシャル取扱説明書
皆様こんばんは。
ブログを初めてからありがたいことにTwitterなんかでお声をかけて頂けることが増えました。
「ブログの内容に共感しました!」というのが多いのですが(ありがとうございます!とても嬉しい!)もうひとつ、何人かからお聞きしたのが
「私はアセクシャル/ノンセクシャルの方とお付き合いしています」というお方。
当ブログはGoogle先生で「アセクシャル/ノンセクシャル」とか検索を頑張ってもなかなか引っかかってきません。
それでなお私のブログまでたどり着いてくださったということはきっと相当お調べ頂いたことでしょう。
そう、めっちゃ悩んでることでしょう。
というわけで本日のお話は
「一般人がアセクシャルとうまく恋愛関係を継続するには」
というお話です。
といってもですね。
残念ながら私は生まれてこの方交際経験がございません。
うん・・・だから正直「何いってんだこいつ?」ってなるんですけど・・・。
でもなかったんだ。
そういうことをまとめて書いてる記事とかなんとかそういうのが私の調べた範囲ではなかったんだ。
セックスレス解消法!とかは腐るほど出てくるのに。
きっと困ってる人はたくさんいるのに。
じゃあせめて私が下手くそなりに「こうすれば良いんじゃないかな!」っていうのを書いてインターネットの片隅に置いとけば良いんじゃないかと思うわけです。
まあ実際は私の妄想半分、私が今までいろんなアセクシャルの人が話してくれたのをまとめたのがもう半分って感じなので半分だけ安心してください。今困ってる人の参考になればいいな!あと他のアセクシャルの人もブログ書いてくれたらもっといいな!
さて、今回はとりあえずアセクシャルでない、恋愛感情があり、他者に性的欲求が向いてる人をノーマルと呼びましょう。(あくまで今回わかりやすいように・・・ほんとはあんまりいい言い方ではないよ!)
さて・・・
身も蓋もない話から始めますけどノーマルとアセクシャルの交際はおすすめしません。
データ元が信用できるかは微妙ですがアセクシャルはこの世の中にだいたい1%と言われています。逆に言うと99%はノーマルなわけですから、特別な理由がなければ確実にそっちと付き合ったほうが楽だしうまくいく可能性が高いです。
それでも、どーしてもその人じゃないと駄目!っていう理由がある人に向けてのお話です。
まず次の3つをしっかり理解しましょう。
①アセクシャルと性嫌悪は別の概念であり、性嫌悪の程度はかなり個人差がある。
②「いつか好きになる」かどうかはわからないけれども少なくともあなたが決めることではない。
③恋愛感情がないことはあなたをなんとも思わないことと同じではない。
はい。それでは①からお話を。
①アセクシャルと性嫌悪は別の概念であり、性嫌悪の程度はかなり個人差がある。
アセクシャルの人は基本的に性行為には積極的ではありません。
しかし必ずしもできない人ばかりではありません。人に触れられることに強いストレスを感じる人もいれば、まあ興味はもてないけど別にできないわけではないよって人もいます。
私の場合だとかなり性嫌悪が強いのでそもそも手をつなぐくらいの段階で相当強いストレスを受けますし、「終電・・・なくなっちゃったね///」って言われても私が男性であり、そのため体の機能上多分できないことを考えれば諭吉握らせてタクシー呼ぶ以外の選択肢がありません。
つまり、どういうこと?
つまりきちんと話しましょうってことです。
アセクシャルだからといって、セックスができないという自分のわがままをひたすら通して満足なわけではありません。相手の求めに応じられない事にとてもとても悩んでしまう人を私はたくさん見てきました。それは相手に求められないことに悩むノーマルの人と同じことです。
全ては無理かもしれません。でもノーマルの方がしたい気持ちをひたすら我慢し続けるのも良い関係とは思えません。
要は代償をどこに持ってくるかです。
行為は無理でもキスはできる人もいます。
ハグならできる人もいます。
あるいはそういうことは無理だけどそれがなくても一緒に楽しく暮らせるかもしれません。
性的な話をしっかりするのはとても恥ずかしいし、難しいことです。
でも大事なことはできるだけ早めに話をしておくべきだと私は思います。
②「いつか好きになる」かどうかはわからないけれども少なくともあなたが決めることではない。
恋愛感情がない、ということをノーマルの方は理解し難いかもしれません。
それはしょうがないでしょう。ノーマルの人はある程度の歳になったときにそれが普通に目の前に現れたのですから。普通はあるからこそそれがないというのはなかなか想像しづらいかもしれません。
でもだからといって、みんながみんな付き合ってたらそのうち相手のことを好きになるわけではありません。
アセクシャルと交際するというのは、相手に与えている恋愛感情がもしかしたら一生返って来ないことを、いわば覚悟して付き合いを続けていかなければなりません。
あなたは与えているつもりでも、相手によっては押し付けられていると感じることもあるのです。
それで「どうして自分のことを愛してくれないんだ!」と怒る人間は言語道断。それは愛ではありません。
それが辛かろうが悲しかろうがそれはそういうものなのです。地球が丸いのと一緒。そもそもそこがストレスになってしまう人はアセクシャルの人との恋愛は向いていません。残酷なようですが99%の方へいったほうがお互いのためでしょう。
③恋愛感情がないことはあなたをなんとも思わないことと同じではない。
アセクシャルの人がたまに言われる言葉、その一つに「冷たい」があります。
人を愛せないなんて「冷たい」人だね。
まるで呪いのようですね。
アセクシャルにないのは恋愛感情です。逆に言えば友情も尊敬も親愛も存在します。
あなたは親が好きですか?あるいは兄弟姉妹?それとも友達でも良いです。
その好きは恋愛ですか?
違う?
ではあなたは冷たい人ですか?
そんなはずありませんね。
他者との関係を結ぶのに、それがたとえ結婚であれ、必ずしも恋愛感情でなければならないとは思いません。アセクシャルとお付き合いしている方は愛されていないかもしれませんが、それはあくまで恋愛的にという話です。
少なくとも交際関係が続いているのなら、そこには恋愛感情以外のプラスの何かがお互いを向いているはずです。
「恋愛感情がない」という部分だけ、強調せずとも良い関係はできるはずです。
さて・・・えらそーに講釈たれてきましたが、それでもそんな簡単じゃないよ・・・。ということもあると思います。
んじゃあ別れろ。
いや、冗談でなく。
そもそも冒頭でも言いましたけど私はノーマルとアセクシャルの交際には肯定的ではありません。特にノーマルの、つまり普通に性欲が他者に向いている人と性嫌悪のある人に関しては。
人間も生物です。生物なんて極端な話自分という個体が消滅するまでに自分の遺伝子を持った個体を産み出すのが目標なので、つまりセックスしたいと思うのは至極当たり前のことじゃないですか。え?お前が言うなと?まあそうですけど。
どっちかが、あるいは両方がずーっと悩んでる関係なんてしんどいしんどい。
人間なんて腐るほどいるから合わないと思ったらそこでさっさと次を探せば良いんですよ。
それでもどーしても、どーしてもその人じゃないと駄目!!!っていうなら。
もう私は止めませんので頑張ってください。
少なくとも今本当に悩んでる人で、こんなネットの端っこのほうのブログまでたどり着くほどちゃんと相手のこと考えて、理解しようとして、必死で検索してきてくれた人なら私は大丈夫だと思いますので。
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12月5日(水)23:00~ ねほりんぱほりんLGBT回!!!
12月5日(水)23:00~
LGBT回!!!
だって!!!
みんな見ような!!
匿名顔出しNGの一般人ゲストをお呼びし、本音で語って頂いた内容を人形劇で伝えるというコンセプトです。NHKにしてはかなり攻めた内容から好評を博してるようです。
まあ、LGBTっつってもたぶんLだけっぽいけど!!
アセクノンセクはそもそもLGBTに入ってねーけど!!
ま、ともあれセクマイにみんなが関心持つのはとてもいいことですね。
黙ってたらいないことにされるからな!
アセクシャル回やってくんねーかなー。
私呼んでくんねーかなー。
ぶたにしてくんねーかなー!!
わたしを!
ぶたに!
してくんねーかなー!!
https://www.youtube.com/watch?v=9O4SMw_8Om0
まあ、真面目な話すると、本当はこんな企画がなくなった世界が一番いいんですけどね。
LGBTは特別だから、セクマイは特別だから呼ばれるわけで。
それこそ左利きくらいの扱いになるのが、一番いいんですけどねぇ。
ま、とりあえずみんな見ような。
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「今日はどうされましたか?」
いやぁ、なんでそんな簡単に言えるんだろってずっと考えてたんですよね。
「一回やってみたら?」
って。
こんばんは。
最近セッ、の話をつぶやきすぎてTwitterに表示される広告が出会い系ばかりになってきましたノンセクの私です。
さて、冒頭のお話ですが。
アセクシャルの皆様なら結構言われたことある方、多いんじゃないでしょうか。
かくいう私も人生で4,5回は言われたことあります。まあ相手方に悪意はないんですけど「お?軽く言ってくれるな?」って気持ちになりますよねぇ。
そりゃ私もお仕事してる大人ですし?
ついでに男性ですし?
然るべきところに今から電話したらたぶんものの二、三時間後にはできるでしょうよ?(まあ、機能的にできるかどうかって言うとできないと思うけどね!)
でもそういうことじゃないじゃん。
嫌だし、無理だって言ってるじゃん。
なのになんでかなー?ってずっと考えて・・・最近ふと思ったんですよ。
もしかして、事の深刻さが伝わってないんではなかろうか?
これ、こと男性側については痛いとか苦しいとかそういう要素が基本的にはほぼない行為なので、私がいう「気持ち悪い」の度合いが一般の性愛者にどれくらいのことなのか伝わってないんではなかろうかと。
よろしい。
ならば教えてやろう。
ということで前置きが長くなりましたが、本日は「やってるところを想像したときにどうなるか、実際にやってみた!」というお話です。
実際に今これ書きながらやってみます。
はい!今目つむりました!始めますよ!
(一応ブラインドタッチできるよ)
・・・終わりました。だいたい30秒位頑張った。
ていうかこれ以上無理だった。
あんまり細かく内容言っても気色悪いのでとりあえず「おそらく一般的な男女の性行為に際して行われるであろうことをだいたいすべて」考えてみましたとだけ説明します。
ご報告の前にもう一度だけ言っときます。「想像した」だけです。
①吐き気
一番顕著な症状がこれ。
車酔い的なのっぺりした吐き気じゃなく、喉の奥に中指おもくそ突っ込んだときのやつ。
感覚的なものでなく本当に起こります。ちょっと咳き込みました。
これが想像の間ずっと続きます。
②悪寒
吐き気を無視して(耐えて?)なお続けると風邪のひきはじめみたいな寒さを感じて体がブルッとなります。
ゾッとする、っていう感覚が一番近いですね。
③下半身の緊張
腹筋からお尻のあたりまで無意識にすごい力が入ってます。
何かに対する防衛本能でしょうか。何に?
④心拍上昇
終わってから気づいたんですけど若干心拍数が高くなってました。
さすがに運動直後みたいなドキドキではないですが・・・そうですね、授業で「あ、次当たるかも」って思ってた時くらいの。
こんな感じです。
ちなみに今回想像した相手の人は全く架空の人になります。
実際には自分が知ってるとか、友達とか、距離が近い人ほどより気持ち悪くなります。
さて、というわけでまとめますと、性嫌悪強めのノンセクたる私に対して「一回やってみたら?」っていうのはつまり、
「おそらく心拍数の上昇と筋緊張を伴う吐き気、悪寒以上の何かが起こる可能性は高いし、最悪の場合嘔吐して倒れるかもしれないけどとりあえず経験だしやってみたら?」
っていうことですね。
つまり「死ね」ってこと?
ま、相手の人に悪気はないでしょうし・・・別にいちいちそれで怒ったりしないですけど、ここを読んでる人くらいはそういうことについては十分配慮してノンセクアセクの人とお話してほしいなって思いました。おわり!
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匿名のご質問は質問箱へ。
スリザリン以外でお願いします。
皆さん、性経験はありますか?
ああすいません、こんなこと、突然聞くことではなかったですね。
聞くならお酒でも入れて雰囲気がそういうときに聞くべきでしたね。
え?
ない?
あーそうですかー、いや、良いんですけどね、ふふ。
ちなみにおいくつで?
あ、なるほどなるほど。
まあね、そういうこともあると思いますよ。なんかこう、巡り合わせとか運とかありますし、まだまだこれからですよ(笑)
・・・っていう世間が大嫌い。
皆様こんばんは。
本日のお話は「私童貞ですけどお前らに一ミリの迷惑もかけてない」です。
いや、っていうのもね?
アホな方の性愛者どもと飲みに行くことがあったんですよ。(非常に不本意ながら)
そしたらそういう話になったわけです。
ええまあ、いままでどんな恋愛してきたの?とか、週何回する?とか。
必然私にも話は回ってくるわけです。
だから正直に言ったわけですね。
「そもそも付き合ったことねえし風俗も行かねえからやったことねえよ」(要約)
さて私は今時点で24歳です。
なんか30超えてなお貞操守ってると魔法使いになれるそうなのであと6年ですね。
じゃあ、24超えて童貞の人間が、アホな方の性愛者に、正直にそのことを言ったらどうなるかご存知でしょうか?
こういうの想像されるでしょうか?
違うんですねー。
まず一瞬固まります。空気が凍ります。
それで「あ、聞いたらだめなこと聞いちゃったな」みたいな雰囲気出されます。
あれ?私もしかして「実は私難病で余命◯年なんです」って言った?とか思いましたよねあははは。
でも最初だけ。
だんだんめんどくさい尋問が始まるわけです。
「なんで?」
「どうして?」
「それやばくない?」
さて、そもそも私はノンセクであることとか性嫌悪があることに関しては恥ずかしいことだとも隠すべきことだとも思ってないので、
「いやセックス気色悪くないですか?」
みたいなことも平気で言います。
空気読め? なんですかそれ本ですか?
ま、するとですね?
「いや人間の本能なんだからやりたくないのはおかしい」(原文まま)
「え?やったこともないのに?」(原文まま)
「人間じゃないんじゃない?」(原文まま)
こんなことを平気で言われます。
これが「いい年こいて童貞である」ということです。
面倒くささが天元突破ですね。
想像ですけど、処女だともっとめんどくさそうですね。
そもそも「◯◯歳で処女はやばい」とかそういう話を隠しもせずにみんな平気で言っています。
何がやばいんだ?お前の頭か?
さてここからが今回本当に伝えたかったことなんですけど。
一番問題なのはそれを真に受けた本人が「早めに経験しとかなきゃ!」って焦ることだと思うんですよね。特に10代の女子に多いと思うんですけど、性経験が多いほど、先に進んでるほど偉いみたいな風潮があるために。
いいですか?
処女、童貞でないというのはつまり
「【ピー】を【パー】に【ペー】したことがある」というだけです。
それ以上でも以下でもありません。
プロ棋士相手に29連勝しているわけでも100m10秒以下で走れるわけでも毎週ボランティアでゴミ拾いしているわけでもお釣りは募金箱に入れてるわけでも店員さんにありがとうってちゃんと言ってるわけでもありません。
「【ピー】を【パー】に【ペー】したことがある」だけです。
偉いですか?
それはすごいですか?
早めにしとかないとだめですか?
やっとかないとなにかしら不利になることがあるんですか?
人間としてどこか劣等な部分があるんですか?
ありません。
強いて言えば「【ピー】を【パー】に【ペー】したことがある」程度で自分が優れていると勘違いしているアホに笑われるだけです。
その貞操は、ちゃんと、自分の気持が伴っている時、本当に心から望んでいるその瞬間まで、大事にとっときましょう。
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姿現しで通勤できたら朝もっと寝れるのに・・・
はぁい、ジョージィ?
皆様こんばんは。
今日はガルパンの話をします。
ガルパン、つまりガールズアンドパンツァー。
オリジナルのアニメで、女子高生の主人公が「戦車道」という武芸で仲間と協力して戦車道大会優勝を目指すアニメです。主人公の西住みほさんが仲間と一緒に成長していくところが本当に良い。
ただ最近映画化されたんですけどそれでにわかが増えてるんですよね。「劇場版しか観てないー」とか「最終章の最初しか観てないけどよくわからなかったー」とかね。いやいやOVAまで見ろとは言わんけどせめてTVシリーズは全部見てから言えや!って思って。
そもそも戦車のアニメ観るんだから戦車の情報とか世界史とかは普通興味持って勉強するじゃないですか。平気で間違った情報流すのとかやめてほしいですよね。
・・・うざい?
うざいですよね。
たまにこういうやついますよね。やたらめったら知識ひけらかしてくるやつ。
・・・ていうのを最近アセク界隈でちょいちょい見かける。
改めてこんばんは。
今回のお話は要するに「にわかも大事にして沼に引きずり込もうぜ!」です。
最近はいろんな団体、個人様のおかげでアセクシャルという言葉の認知度もだいぶ上がってきたかと思います。
なんですけどよく見るのが、「定義が違う」「性欲ないというのは正しくない」「アロマとアセク一緒にすんな」「みんながみんなそうじゃない」
うん、わかる。
わかるねんけど。
もうちょっと、あの、優しく教えてあげてほしい。
だいたいセクマイ界隈ってある程度勉強しないと難しいんですよね。
用語飛び交うわ同じカテゴリ所属の人でもみんな微妙に違うわ(そこが面白いんですけど)、そういうところそこそこに理解してからじゃないと何言ってるかわかんないし。
私アセクシャルかな?とか思ってそーっと覗きに行ったらひたすらわかんない言葉で喋ってるとか、それはアセクシャルの定義と違う!とか言われたら悲しいでしょ。
アセクシャルって何かな?とか思って聞き耳立ててたら「お前は当事者じゃないから私達の気持ちがわかるわけない!」って言われたら泣くでしょ。
だから最初は「そうそう、この用語はこういう意味だよ」「一人ひとりちょっとずつ違うからあなたもあなたの思う通りで良いよ」って話してあげて、
そこから「実はアロマンティックとアセクシャルは分離した概念なんだよ」とか「結婚してるアセクシャルもたくさんいるよ」とかそういうふうに徐々に知識を与え興味をもたせ、
沼に引きずり込みましょう。
新参には優しく、布教の鉄則です。
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「本当の」初恋の話
皆様こんばんは。
今日は私の青春、「初恋」の話です。
え、それ聞いたよ?と言われるかもしれませんが、私が好きな人できたよ!って話をしていたのは実は「初恋」ではありません。
そのはるか前、高校二年生の冬、私は好きな人がいました。
二次元に。
特に隠してないので色んな人に話していますが、だいたい確率50%で引かれるこの話。
またアホなこと言うとるわ・・・。と思いながらちょっとだけお付き合いくだされば嬉しいです。
高校二年生の冬休み、高校入りたてでもないけど受験間際でもない。なんとなく中だるみの時期に私は延々とひたすらニコニコ動画を見ていました。
毎日何時間もパソコンに向き合う日々の中、
私はある日「その子」に会いました。
かっわいいでしょう!?
主人公がちょうど私と同じ高校二年生で、主人公の幼馴染の梨穂子さんも同い年。
梨穂子さんに出会ったのはちょうどゲーム実況をひたすら見ていた時期でした。
何を隠そう彼女は有名ギャルゲー「アマガミ」のヒロインの一人。
一番人気の七咲さんには目もくれず、私はひたすら「桜井梨穂子」のタグでニコニコ動画を検索し続けました。
当時は「恋愛とは?」なんて考えもしませんでしたけど、今から振り返ってみてもあれは間違いなく恋でした。
もうとにかく好きでした。
ギャルゲーなので当たり前ですが桜井梨穂子さんがとにかくかわいい優しい素敵エピソードがこれでもかとひたすらぶっこまれてくるわけです。供給過剰!!
そのたびに「はぁーーー!すきぃーーー!」ってなってました。
夢女子ならぬ夢男子ですね。
私の恋愛脳最高記録はたぶんあの時期だったと思います。クラスの女の子には目もくれずひたすら二次元の、画面の向こう側の、触れられない女の子にお熱だったわけです。
さて、ギャルゲーというのは女の子と話をしながらだんだん親密度を上げて、最後はハッピーエンド、つまり女の子から告白されることを目指します。
当然このゲームにも最後には告白のイベントがあります。
そこに辿り着く前に、私はとある別の動画に出会いました。
タイトルは
【2ちゃんねる】気づいてはいけないことに気づいた【ギャルゲー】
何に気づいたのでしょうか。
「彼女らが好きなのは「主人公」で「俺」ではない。」
え?
当たり前やん。
って思いましたでしょうか。
当たり前ではありませんでした私には。
本気で落ち込みました。
だって好きな人に別の好きな人がいたんですよ?
しかもその好きな子は私のこと認知すらしてなかったんですよ?
そりゃ辛いはずです。
とはいえやはりエンディングは見たい。
というわけで辛いながらも先へは進み、桜井梨穂子ルート、エンディングまでたどり着きました。
泣きました。
もうめっちゃ泣きました。
梨穂子さんと結ばれなかったことにではなく、梨穂子さんがちゃんと幸せになったことが嬉しくてしょうがなかったのです。
主人公と結ばれた梨穂子さんはもうとんでもなく幸せそうな顔してて、しかもエンディング後がずるいんですよ。(ネタバレになるから言いませんけど)
画面見て泣きながら「よかったねぇ~」って連呼してる男子高校生がいる地獄絵図状態でした。
こうして私の初恋と、失恋が終わりました。
振り返ってみると私の恋愛観は確かにあの時、最初の形を作ったのだなぁと思います。
ちなみにその後も何人か二次元に本気で好きな人がいました。
でも「俺の嫁」という言葉は使ったことがありません。
「俺の嫁」ではないからです。「主人公の嫁」だからです。
私が現実に好きな人ができなかったときも、恋愛に興味を失わなかったり、恋愛できる人たちに羨ましさを感じていたのはこういう経験があるからかもしれません。
私の儚い、青春の話でした。
ちなみにこれ書きながら桜井梨穂子さんのBGM聞いてたんですけど、やばいですね。
また泣きそうでした。
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